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過新年、行花街
 広州の春節には、「花」が欠かせない。
 中国では旧正月の春節は「年」とも言われることから、この時期の花は「年花」という。春節が近づくと、どこに行っても、この年花がよく飾られる。農暦の28日、29日と大晦日の日には、人々は花街(花市)に行き、好きな花を買ったり、市で並べられた花を観賞したりする。広東語で「行花街」といわれるこの習慣は、地元の人々が年間行事の中で一番楽しみにしているものでもある。広州人は、家族や友達と皆で「行花街」しないと、何か物足りない春節になりそうな気がするのだ。

 昔から旧正月は寒いので、南方以外の地方では花どころか緑さえ少なく寂しい時期。しかし、南国である広州は温暖な気候に恵まれ、旧正月前後でもいろんな種類の花がある。別名「花城」ともいわれ、1年中花が咲くこの町には、花を栽培農家が多く、人々も花が大好き。特に春節がやってくると、町全体がまさに花の城に変貌する。

  この時期、人々は会社、店、家など、いろいろなところできれいな花を飾る。1年間がんばった自分へのご褒美として、花で今年の最後を華やかに飾りたいと思うからだ。好きな花を見ると、疲れた心が癒され、心身ともにリフレッシュして、さあ、また来年もがんばろうという気持ちにさせてくれる。この習慣は広州人の間で代々伝わっているものだ。
 花街(花市)でよく見かける伝統的な年花は桃の花。広東語では「桃」と「図」は同音で、大きな抱負が実現する「大展鴻図」の意をかけている。ちなみに、「桃花運」とは、異性運があるということ。このほかに、金桔(小蜜柑)と大麗花(大吉大利の意)、剣蘭と銀柳(歩歩高:地位や収入がますます高くなる)、水仙花(純潔、いい香り)など、それぞれの花に縁起をかけている。
 商売が盛んな町だから、花の名前も意味を持たせた花言葉も商売と関連するものが多い。例えば、黄金果、猪籠草(たくさんのお金が入る意味の「猪籠入水」という広東語にちなみ人気が高い)、サボテン(厄運払い)・・・などなど。

 私も広州の花街が大好きだ。毎年必ず「行花街」してお花を買ってきて家を飾る。花街をぶらぶらしながら、花売り人の呼び声に囲まれ、人々の笑顔と数えきれないほどカラフルな花、花、花を見ると、何だか新年もいいことがありそうな気がする。
 すでに帰任した日本の友人が花市について、こんな言葉を寄せてくれた。
 「花好きな私を驚嘆させたのは、広州の「花市」だ。目的が同じ人たちの黒い瞳の中に、明るい電灯の光と美しい花の姿が映りこむ。わくわくする気分が人から人へに伝染していく。十分吟味された一鉢を手にして帰るときの、得意満面な顔。今も花市の季節になると無性に広州に行きたくなる。それこそが、私にとっては幸せな素敵な思い出だからに違いない」

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