連載第35回(2015.11掲載)
紹介
澳門赢到粥(冬瓜粥底火鍋店)
越秀区環市東345号
電話番号:020-8357-1033 020-8358-3933
営業時間:11:00-14:30、 17:00-22:00
記事
今回はなんとも珍しい『冬瓜が鍋!』というお店に取材に行って参りました。冬瓜は良く鍋の具材として登場しますが、大きな冬瓜それが自体が鍋になっているとはインパクト大です!
ところで、皆さんは夏が旬の冬瓜をなぜ“冬”瓜と呼ぶかご存知でしょうか?実は、冬瓜の皮は非常にキメが細かく丈夫に出来ていて、中の水分を失いにくいことから、2~3ヶ月は保存でき、冬の保存食として重宝されていたからなんだそうです。
さて、それでは料理長さんにお話をお聞きしてみましょう。
Q:いつから料理の世界にいらっしゃるのですか?
A:15歳からなので、もう12年経ちます。実は勉強が苦手で学校を辞めてしまい、早くから料理の道で修業をしてきました。
Q:得意料理のジャンルは何ですか?
A:もちろん粤菜ですよ。スープも得意です!
Q:この火鍋のスタイルは以前からあるものですか?
A:このお店の本店はマカオなのですが、起源になっているのは広東省の順徳料理です。でも、このスタイルは比較的新しいですね。
Q:冬瓜の鍋とは面白いですが、良く火が通りますね。底はどうなっているのですか?
A:底は平らに切ってあるんです。平らに切らないと中のスープが漏れ出るので、平らに切るのが秘訣です!
Q:このスープは何ですか?
A:早稲をまず煮溶かして濾し、スープを取ります。子どもでも安心して飲めますね。
Q:食材が新鮮ですね。
A:海鮮は黄沙から仕入れています。エビ団子とイカ団子は毎日30分包丁で叩いて手作りしているんです。(この団子は口当たりが良くて非常に美味でした!)
Q:ずっと不思議だったんですが、なぜ中国はお鍋の時に順番に一種類ずつしか食材を入れないのですか?
A:それは食材の味を味わうためです。一つ一つ味わってくださいね。
Q:ちなみに冬瓜が無かったらどうなるんですか?(←意地悪な質問をしてみました)
A:広州には年中ありますよ(笑)!
Q:海外の人も良く来店しますか?
A:広東の方が一番多いですね。
Q:お店はこちらだけですか?
A:広州にはこの一店舗だけです。今後は広州市内で拡大していく予定です。
お若い料理長でしたが、さすが12年の経験を持つ料理長、私たちのたくさんの質問にもしっかり答えてくださいました。これから広州にも寒い時期がやってきます。鍋を食べたくなったらこのお店に足を運んでみてはいかがでしょうか?優しい味のするお腹と心が温まるお鍋でした。ごちそうさまでした。
料理コメント
冬瓜盅
内側が削られた冬瓜は冬瓜盅(鍋)として登場!順徳のお粥鍋はもともと有名なのですが、これも同じく スープの代わりにお粥を使う順徳スタイルだそうです。
お粥
お米からトロ火で2時間以上かけてコトコト炊いたお粥は甘みがあって、お肉でもお魚でも相性ぴったり!
アワビ
アワビの食材はほとんど大連からの輸入、お店の自家製醤油と合わせると、海鮮本来の“鮮”を深く味わえる。
霜降り牛肉
薄切りの牛肉、トウガン鍋に入れて、2分後食べられる。とろける食感、肉のうまさたっぷり。
手作り蝦団子
新鮮な海老で叩いて作られた蝦団子、ぷりぷり感が伝わってとっても美味しかったです!
牛の胃袋
澱粉で2、3回繰り返し洗うと、牛の胃袋の生臭さが抜けます。程良い歯ごたえでおいしい。
自家製魚腐
見た目は揚げ豆腐のようですが、食べると柔らかく、魚の甘さはたっぷりです。繊細な食感で、大人気の一品です。
クラゲのあえ物
クラゲのコリコリがたまりません。美味しかったです。
魚の皮とアラのフライ
揚げたケイギョの魚皮とアラは想像以上に香ばしくサクサク!
魚の皮のあえ物
臭みも脂もなく、思ったより歯切れよく爽やかな食感。前菜にぴったり!