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連載第46回(2018.7掲載)

紹介

Wilber’s 【西洋料理】

場所:竹絲崗二馬路62号(農林下路の近く)

電話:020-3761-1101

営業時間:11:00~24:00

デートに一番おすすめのレストランと評価されているWilber’sに行ってまいりました。
春節休暇から改装工事で一時的に休業していましたが、6月からリニューアルオープンしましたので、早速一新したお店を取材!

コミュニケーションを重んじるこちらのお店は単なるレストランではなく、様々な業務を行っています

今年、お店は11年目を迎えました。今回の改装に関して、店長さんのご紹介によりますと、インテリアはあまり変わっていなく、キッチン設備を中心にリニューアルしたそうです。三階建ての老房子はそれぞれの機能で分けています。今は一階だけレストランとして営業していて、ディナーのみ提供していますが、事前にお店に連絡すれば、お昼やお茶会などの手配も可能です。ケータリングサービスもありますので、どこでもWilber’sの美味しい料理が堪能できます!

二階は長テーブルを設置しており、フラワーアレンジメントのレッスンやワインの試飲会の開催場所になります。イベント開催のご案内はWECHATの公式アカウントでお知らせしますので、どなたでも参加できます。皆さんと美味しいワインや料理をシェアしたいというのが目的ですと店長さんがおっしゃっていました。また、貸し切ってお客さんの誕生日パーティーや懇親会などを行うこともできますので、イベントスペースとして活用しています。

三階は立派なキッチン設備を備え、クッキングクラブの「イベント室」になります。少しレベルの高いファミリー式洋食レッスンと自分の好みやニーズによるカスタマイズレッスンがあります。

それだけでなく、料理のほうも質を上げましたので、早速Wilber’sの丹精を込めた料理を味わってみましょう!

メニュー

  • Wilber’s Bread with Homemade Butter & Hummus

出来立てのパンはあたたかくて美味。外はカリカリしていて、中は柔らかい。味はあっさりしているが、色んなハーブが入っているので香ばしい。
バターは香菜がまざっており濃厚。ひよこ豆ソースはガーリック、オリーブオイルが効いており濃く、パンに合う。

  • Beef Tataki with Scallion, Soy & Balsamic Dressing

バルサミコが強すぎず、弱すぎず良い感じでオージービーフにマッチ。ビーフは柔らかくて食感がいい。ネギも風味が良く効いている。

  • Caesar Salad with Grilled Chicken, Anchovy Caesar Dressing

濃厚なパリパリチーズをアクセントにして新鮮なレタスが口に広がる。食感はシャキシャキしている。チーズを客自らくずす形式が楽しい。
自家製のドレッシングは市販のものより酸味が弱く、マイルドな味がする。

  • Snapper Carpaccio with Herbs, Lime & Kumquat Jam, Caviar

プリプリした鯛とほろ酸っぱいキンカンがマッチ、見た目もきれい。キャビアの塩味もgood。
キンカンソースは爽やかで、季節感が強い一品。

  • Cream of Mushroom Soup with Crab Meat

濃厚で甘味のあるクリームスープ。マッシュルームをそのままスープにした感じで、カニ肉の甘さが味を引き立てている。

  • Oxtail Soup with Fresh Apple Juice

牛テール、野菜、赤ワインで煮込んだスープ。野菜の甘味が効いていて美味しい。最後にアップルジュースをきりふきで吹きかけ、より一層豊富な味にする。

  • Beef Consomme

40時間煮込んだ濃厚なコンソメスープ。丸みのある野菜とうずらの卵が浮かんでおり、見た目が可愛い。

  • Pan Fried Sole Fillet with Squid Ink Spaghetti, Chestnut, Zucchini & Truffle

フィレのサクサク感と濃厚なイカ墨のパスタが良く合う。パスタはほどよいゆで加減で、栗のこりこりした食感もよい。トリュフの香りは食欲をそそる。

  • Beetroot Risotto with Sea Urchin

歯応えのある「五常米」を使っており、ウニは新鮮でくさみがなく、香りが引き立つ一品。

  • Carrot & Smoked Salmon Tortellini with Creamy Tomato Sauce

モチモチした皮の中から塩味の厚みのあるサーモンの親み合わせ。にんじんソースが不思議な風味を出していて、紅茶みたいな味。陳皮が入っているので、オレンジの酸味も手伝って、より一層不思議な味。

  • Grilled Beef Rib Eye with Scallop Potato, Mini Broccoli, Miso & Osmanthus Syrup Sauce

お肉の焼き加減は絶妙で、甘酸っぱい金木犀とニンニクソースが味を引き立てている。ソースはニンニクがきいているが、フルーティな感じもある。

  • Charcoal Grilled Mackerel with Creamy Sauteed Dried Turnip & Mushroom, Green oil

脂ののった鯖にクリーミーなソース。鯖は油で焼いているので少し脂っこいが、クリームソースにパセリがかくれていてさっぱり。キノコの食感も良い。

  • Sous Vide Lamb Loin with Slow Braised Lamb Belly

真空調理法で柔らかく煮込んだラム肉はくさみがなくてジューシー。バジル、パセリ、ミントなどで作ったハーブパウダーをまぶし、味を引き立てる。

  • Wilber’s Cheesecake

甘さ控えで、食べやすい。マンゴーソースに良く合って美味。柔らかくてソフトな口あたりも良い!

  • Lemon Meringue

レモンの味がよく効いていて甘酸っぱくて美味しい。メレンゲのフワフワ感も妙に合う。

  • Passion Fruit & Banana Souffle

フワフワ、トロトロの甘酸っぱいスフレ。ちょっと甘すぎるかも…好みが分かれる味か!

インタビュー


店長の陳さん。広東出身。

腕磨きを心がけているスタッフと食材の鮮度を最優先するポリシー

Q:料理は美味しかったですね。シェフは何年の経験がありますか。
A:ありがとうございます。シェフは19歳からうちで働いて、すでに20年以上の経験があります。(さすが!)他のスタッフもほぼ同じで、チームのメンバーは開店以来ほぼ変わっていなく、皆は仲がよくて家族みたいです。私たちもよく香港などへ行って、他のレストランと交流し合いながら自分を向上させています。

Q:食材はどこから仕入れしていますか。
A:基本は地元で買える新鮮な食材を使っています。輸入品に対しては特にこだわっておりません。なぜかというと、運送時間のかかった食材は逆に鮮度が失うかもしれませんから。海鮮なども地元の市場で購入しており、本日の料理にも中国産のウニを使っております。

Q:へー、ちょっと意外ですね!中国でもこんなに新鮮なウニが食べられるなんて!
A:ええ、必ず新鮮な食材を入手しますから。もし使う予定の食材の品質が良くない場合、すぐメニューを変えて他の料理に差し替えます。

Q:メニューの変更頻度どうですか。
A:クラッシックメニューとシェフのおすすめメニューこの二つがあって、クラシックは月1回で、おすすめは週1回ぐらい変更します。でも、先ほど話した通り、食材によって予定のメニューと違う場合もあります。

ぶつかりながら歩んできたお店とその支え

Q:客層はどんな感じですか。
A:中国人と外国人は半々ですね。

Q:お店の場所を東山口に決めたのはなぜですか。
A:この辺り、洋風の建物が多くて雰囲気がいいという点はその一つで、また、この建物自体をあまり変えずに、そのままの風貌でレストランとして使えるのでここを選びました。

Q:お店の経営について、今まで何か大変なことがありますか。
A:もちろんあります。開店当初はステーキやパスタなど多種多様なものを提供し、お客さんが好きな料理を自由にオーダーしていただくパターンで経営していました。その時、広州での西洋料理店はまだ少なく、洋食はどんな料理なのか、どういうふうに食べるのかこういった基本的なことをお客さんに知ってもらいたいのが当時の経営理念でした。だんだん、同じタイプのレストランが現れ、お客さんも洋食及びその文化を受け入れましたので、他のレストランと区別したいと同時に、本格的な洋食を伝えたいという思いがあり、2011年からセットメニューに変更することになりました。その時、理解してくれなかったお客さんが多くて、お店の経営は厳しい状況に陥っていました。「好きに選べない」、「値段は高い」、「量が多すぎて食べきれない」など、不満の意見がたくさん出てきました。その時が一番大変でした。

Q:しかし今もセットメニューを続けていますよね。その時期をどういうふうに乗り越えましたか。
A:うちの理念を認めてくれるお客さんのおかげだと思います。時代が変わったので、大衆的な洋食より本格的なコース料理を出したいです。普通のご飯を食べたら、1時間ぐらいで終えるかもしれませんが、コース料理を食べると、普通の二三倍の時間になります。相手と話し合いながら料理を一品一品でよく味わっていただきたく、人も食べ物も大切にしてほしいです。仕事がどんなに忙しくても、大事な人とゆっくり過ごす時間は欠かせないとお客さんに伝えたいのです。確かに大変なこともありましたが、高評価してくれたお客さんが応援してくれているので評判もだんだん良くなってきました。スタッフ全員も新しいコンセプトを貫いて頑張っていてここまで来ました。

リニューアルしたお店は以前より値段が高くなりましたが、工夫された料理にはその価値があると思います。Wilber’sで大事な人と素敵なディナータイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。

[広州日本商工会][食人も広州にあり]