おうちごはん

  • 陳麻婆豆腐の素で本格的な味の再現に挑戦

普段のおうちごはんは「おうちで気軽に作れるもの」を中心として執筆いただいているコーナーですが、今回は番外編ということで成都の名店「陳麻婆豆腐」の素を使って本格的な麻婆豆腐の味を再現することに挑戦します。

中国国内ECサイトの発展で広州でも気軽に各地の名産品などを購入することができる昨今、日本へ一時帰国する際のお土産として日本では入手しにくい調味料などを選ばれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。よかったら参考にしてみてください。

準備編

十数年前ですが、成都に遊びに行った際、陳麻婆豆腐店へ行きました。店は意外にも街の食堂といった風情でしたが、出てきた麻婆豆腐は豆板醬、唐辛子の辛さと花椒による痺れがとにかく強烈。口を閉じている感覚がなくなり、唇が合わず、ずーっとハフハフ言いながら食べたという記憶が今でも残っています。しかし、肝心な味のほうはあまり思い出せず、まずは広州で本格的な麻婆豆腐を食べられるお店を探すことにしました。四川省出身の友人に「広州で一番本場に近い麻婆豆腐を食べられるところってどこ?」と聞いてみましたが、「・・・ないねぇ」とのこと(汗)。その理由は上にかける花椒粉がいまいちである、地元で食べる花椒粉はもっと風味豊かなのだとのこと。しかもいいものを見つけるのも一期一会的な出会いによるものらしい。

本場の麻婆豆腐を作りたいのだというと、田舎から持ってきたお気に入りの花椒粉と「麻婆豆腐の素」を今度上げるよ、と申し出てくれました。家庭では素を使うのもありのようです。

調理編

材料

豆腐(中国語で嫩豆腐というもの)半丁200g
牛肉ひき肉80-100gくらい
にんにく、しょうがみじん切り
青ネギみじん切り
陳麻婆豆腐の素 一袋(50g)
スープ1/2カップ (鶏ガラスープが良いと思いますが、今回はお湯にしました)
片栗粉20g(水で溶く)
花椒粉 お好みで(小さじ1)

①作る技術は特に必要ないですが、豆腐の下処理が肝要です。沸騰したお湯に塩(小さじ1)を入れ火を弱め、1.5センチ四方のサイコロ状に切った豆腐を静かにいれて、コトコト茹でます。ここで煮崩れしないよう豆腐を締め、後ほどひき肉と素の中に入れたときあまり長く煮ないようにします。5分くらい茹でたら水気を切り待機。この時も崩れないように気を付けます。

豆腐の下ごしらえをすると仕上がりが違います

②まずは牛ひき肉をしっかり炒めます。牛ひき肉は脂の多いものではなく、赤身の多いものが合います。(ちなみに麻婆豆腐は硬くておいしくない牛肉を食べるために生まれた料理ともいわれています。)

一度ひき肉を引き上げ、にんにく、しょうがのみじん切りを油でいためて香りを出し、素を投入して火を弱め、香りが出るまで炒めます(火が強いと焦げます)。

スープを足して、適度な硬さにします。

③ひき肉と下ごしらえした豆腐をそっと入れ、形を崩さないように数分煮ます。仕上げに水溶き片栗粉を回し入れ混ぜ、その後皿に盛ります。

④最後にネギを上にちらし、花椒粉をお好みの量かけて出来上がり。

花椒について

友人からもらった花椒は香り高く、とてもよいもののようでした。かけると一気に麻婆豆腐らしくなります。おなじ麻婆豆腐にスーパーでも買える某メーカーのものもかけてみましたが、青臭くて粗削りな感じが否めず、やはり花椒粉が「肝」であることは間違いないようです。ではどうやって美味しい花椒粉を入手すればよいのでしょうか。花椒の産地として四川省漢源(汉源)というところが有名だそうです。早速ECサイトで検索するとコメント欄に「今まで私が購入していた花椒粉はなんだったのか?これはよい!」などというものもあり、期待しつつ購入。痺れと香りのまろやかは友人のものには及ばない気がしますが、麻婆豆腐との相性もばっちりでした。頻繁に麻婆豆腐を作るわけではないのですが、機会があれば今後もいろいろな花椒粉を試してみたいと思います。

それにしても花椒粉が肝だったとは、お土産にするときは本場の花椒粉もセットにして渡さなければなりませんね。(素に入っているものだと思っていました。)

おすそわけしてくれた花椒粉
タッパーに入れても香ってきます
ECサイト(京東)で購入した花椒粉

おまけ

以上とにかく麻婆豆腐を作ってしまったわけですが、これで本当に良かったかを確かめるために「重慶大厦社員食堂(重庆大厦员工食堂)」に行ってみました。重慶大厦は重慶市人民政府広州弁事処(重慶市政府の出張所)があるところで、そこの社食ならきっと本場に近いものが食べられるのではないかと思ったのです。(成都でないのが残念ですが…。)社食だけあって、オーダーは自分で紙に書く、お茶のおかわりと白ご飯はセルフサービスですが、おいしい四川料理がリーズナブルに食べられます。関係者でなくても利用可、近くの大学生などもよく来るようでご飯時は満席です。

ここの麻婆豆腐ですが、出てきた時の香りは素敵でしたが、刺激は控えめでした。広州化しているのかもしれません。自分で作ったもののほうが辛かったです。

 

 

 

 

重庆大厦员工食堂(环市东路446号)口コミサイト 大众点评に掲載されています

 

豆腐の下処理の手間以外は非常に簡単な麻婆豆腐。一度挑戦してみてください!

事務連絡所 小出真規子

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