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連載第52回(2020.10掲載)

2020年は残り僅かです。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今年は新型コロナウイルスの影響で多分どなたにとっても忘れられない特別な年だろうと思います。一番大変であった時は、人々が外出を極力控えたり、お店もほぼ閉まっており、街の風景がまるでストップボタンが押されたみたいで恐ろしい静寂でした。特に飲食業界は大きなダメージを受けました。幸い今はすでに活気が戻り、景気も徐々に回復しています。食は広州にありの取材もようやく再開することができました!

久々の再開で、今回ご紹介したいのは、ガーデンホテルの近くにある吉成です!今年は開店の3年目を迎えられました。本来は春節明けに取材する予定でしたが、コロナの関係で延期になり、いつ取材できるかまだ目途が立たない中、近くで続けられない飲食店が次から次へと出てしまい、お店は大丈夫かなとひやひやしていました。インタビューする時、店長のカナさんも「本当に大変でした。でも皆で一緒に頑張ってきました!」とおっしゃいました。さて、今回のピンチを乗り越えた吉成の魅力を紹介させていただきます!

紹介



吉成(越秀店)
場所:華楽路華楽大厦北塔57号の隣

吉成(花都店)
場所:花都区公園前路27号麗苑ビル83‐84号
電話:136‐4025‐4033、135‐6033‐6375
営業時間:11:00~13:30、17:00~22:00
(2023年より越秀店は閉店いたしました。)

暖簾をくぐり、お店に入ったら、優しいライトの光に包まれ、一日の疲れが取れそうなホッとする雰囲気が漂っています。まっすぐに見えるのはカウンター席。両脇は4人席のミニ個室が四つあります。

奥へ進むともっと広いスペースがあり、人数によって個室をセッティングすることができます。最大45名様に入っていただけるそうです。

手作りのドレッシングが大好評の焼肉サラダ、上質な黒豚肉を使用したカツサンドなど、定番メニューに載っている人気料理がたくさんあります。また、日本料理経験15年以上のベテランシェフが2名在籍していて、毎週も違うおすすめメニューを用意しており、どんどん出てくる新作を楽しめます。

メニュー

  • 白菜の漬物 
    さっぱりした浅漬け。日本のおふくろの味。
    もう少し塩辛くても美味しいかもしれない。

  • 焼肉サラダ 
    吉成一番人気のサラダ!シャキシャキのキャベツの千切りに濃い目に味付けした牛焼肉。肉のうまみと酢の効いたキャベツの歯ごたえが絶妙によい。
    牛肉の脂身と酢の酸っぱさのバランスが良い。日本的な味付けとキャベツのドレッシングがさらにパワーアップした味。すりおろしにんにくも効いている。
    サラダだけどボリューム満点。

  • 明太子とポテトのグラタン 
    ホクホクのジャガイモに明太子チーズがベストマッチ!とろりチーズが美味しく、シャキッとしたたまねぎがいいアクセント。
    チーズの風味が素晴らしい。まさに日式洋食の代表。日本の洋食店で食べる味と同じ。ボリュームも満点。

  • なすと豚肉ポン酢 
    みずみずしいなすにゆでた豚肉、ポン酢でさっぱりいただく。夏らしい一品。盛り付けもきれい!!
    つるんとしたなすの食感とポン酢のさわやかさが涼し気で夏向きの料理。暑い広州にぴったり。

  • さつまあげ 
    白いさつまあげは一風変わった感じ。甘みがじわっと口の中に広がる。酒のあてにぴったり!
    タコ入りのさつまボール。大根おろしがあっても良いかもしれない。

  • ニンニクアワビ 
    アワビのバター醤油ソテー。ニンニクが効いて、口の中に磯の香りとニンニクの風味が広がる。ねぎの一味もいい。柔らかくて食べやすい。

  • エビの天婦羅 
    大き目でぷりぷりのエビは甘みがあって美味。この店の揚げ物は他にない美味しさ。
    衣はサクサク、日本人も中国人もきっと大好きな一品。

  • ビーフステーキ 
    サイコロステーキ。お肉が柔らかくて食べやすい。カリカリニンニクと一緒に食べると二度楽しめる。
    胡椒の具合が良い。肉のうまみに高級感を感じる。

  • カツサンド 
    トーストとカツの相性が抜群に素晴らしい。甘辛いトンカツソースにシャキシャキのキャベツがサクサクのパンにはさまり、美味しいに決まっている!
    サクサクのカツと外かりのパンで気軽に食べられるが、ボリュームは実はたっぷり~
    肉の甘みを味わえる日本の味。締めに最高!

  • 長崎ちゃんぽん 
    パリパリの面に熱々のあんかけ。麺、具、あん、全てが絡まり合って美味しい。味が濃厚で出汁もしっかりしている。野菜も海鮮もたっぷりでお得な一品。

インタビュー

店長のカナさんと家明さん

店長のカナさんにお話を伺いました。

Q:「吉成」という名前って、何か意味があるのでしょうか?
A:「吉祥」、「成功」という言葉に因んで名づけました。
Q:なるほど!縁起のいい名前ですね。

Q:食材はどこから仕入れしていらっしゃいますか?
A:海鮮、牛肉などは信頼できるところから輸入しています。自家製のものもあって、例えばラードは自分で作ったものです。さつまボールやイカスミのソーセージは花都にある吉成1号店から取り寄せています。そしてお酒ですが、偽物がないよう私がしっかり見張っていますのでお客様に安心にお楽しみいただける自信があります。

Q:最近の人気料理をご紹介いただけますか?
A:うん…最近というと、「牛肉トマトの中華風卵焼き」かな。おすすめは毎週変えていて、メニューに載っていない時でも「これ食べたい」と言ってくるお客さんがいらっしゃいます。もちろん言ってくれれば作ります。

Q:おすすめはよくアップデートしていますね。
A:ええ、ずっと変わらないとお客さんが飽きてしまいますので、来てくれたお客さんに常に新しいものを食べていただけるように、厨房の皆さんにメニューをどんどん刷新するようにお願いしています。シェフはクックパッドなどを見たり、お客さんのご意見を聞いたりして新品の開発に取り組んでいます。旬の食材も積極的に取り入れて作ってもらいます。最近ですと、タケノコやシイタケの料理を提供しています。また、お客さんからリクエストがあれば、メニューに載っていない料理でも、食材さえあれば対応可能です!

Q:今年はコロナの影響でいろいろ大変でしょうね?
A:ええ、そうなんですよ。2月~6月は業績が大幅に下がりました。2月の頃、開店できなかったため収入もゼロなので、大家さんに家賃を免除していただけないかと何度もお願いしました。何度も交渉して最後は2か月分の費用を免除してくれました。その後、店を再開できたと言っても、しばらくお客さんが少なかったので、経営はやはり厳しかったです。なのでお客さんが少ない時、スタッフの皆さんに交代で出勤してもらって人件費を削減、一方、ワイマイアプリや新聞などメディアでアピールに力を注ぎました。スタッフの皆が理解してくれたおかげで何とかやってきました。しかし、大変というと、日本の方々も同じですね。隔離ホテルの部屋が狭いとか、食事の味が口に合わないとか、ワイマイも中国語ができないと頼めないですね。これらの話を聞いたら、かわいそうと思い、支援してあげたいと。居酒屋だからできるのは食事のサポートですね。それで隔離中のお客さん向けのワイマイサービスを始めました。料理長が自ら温かい味噌汁付きの日本味のお弁当を隔離ホテルへ届けに行きました。ワイマイを届けることで少しでも皆さんの隔離生活を改善できればと思います。

お客様日々のご愛顧とスタッフ全員の支えがあって、大変な時期を乗り越えた吉成はこれからも美味しい料理をリーズナブルな値段で提供し続けます。本格的な日本料理が食べられる、美味しいお酒が飲める、リラックスの場にするのがカナさんの思いです。皆様もぜひカナさんの思いを応援に行ってみてください! !

[広州日本商工会][食人も広州にあり]