広州人物図鑑

  • 難波淳 ——楽しむことを忘れず、全てのことに尽くす

海外飲食事業の総責任者として広州、深セン、上海、中国台湾、タイ・バンコクで店舗プロデュースおよびスタッフ教育に携わってきた難波淳さん。現在は日本のグルメサイトで人気焼鳥ランキング1位、5年連続「百名店」に選ばれた会員制焼鳥「熊の焼鳥」広州店のプロデュースを行っている。今回、海外飲食事業の苦労と面白さ、および今後の目標について、お伺いしました。

——初めて海外で飲食事業を始めたのはいつ頃ですか?

初めて海外で飲食事業を始めたのは2011年。勤務地は上海です。初めはナイト事業を担当し、その後はジンギスカン屋や日式焼肉「ホルモン酒場」の立ち上げ及びスタッフ教育に携り、海外飲食事業のイロハを学ぶことができました。約1年間、上海で働いた後は、中国台湾に異動。2013年、日本の本社が大阪スタイル焼肉「焼肉バカ一代」を深センに出店することを決定したので、立ち上げおよびプロデュース責任者として赴任しました。海外に来てわずか3年で、3都市も行っている人なんて、私くらいじゃないですかね(笑)

——広州に赴任はいつ頃ですか?

私が広州にやって来たのは2014年。大阪スタイル焼肉「焼肉バカ一代」が深センで人気を集め、広東で認知度も上がったことを受け、広州に進出する運びとなり、責任者として赴任しました。その後、2019年にタイ・バンコクに赴任するまでの約5年間、広州と深センで「焼肉バカ一代」のプロデュースやスタッフ教育を行いつつ、様々な業種と出会うことで人脈を広げることができました。

——これまで海外飲食事業に携わって、一番苦労したことはどのような事でしょうか?

これまで海外にいて一番苦労したのは、コロナ禍中のバンコクですね。多くの都市がロックダウンとなる中、バンコクもロックダウンとなり、店内の営業はもちろん、デリバリーも禁止、自宅から外に出ることもできなくなり、本当に孤独で何もできない状態となってしまいました。ただ、このような苦しい状況下でも多くの人がサポートしてくれ、コロナが終わった後のことを見据え、リモートでスタッフ教育をするなど、その当時の自分ができることをやり続けました。この未曾有の困難があったからこそ、今、多少の困難に出会っても負けない「強い自信」を得ることができたと思います。

——これまで様々な店舗でスタッフ教育に携わってきたと思います。広州、深センで働くスタッフの特長は何ですか?

広州、深セン関わらず、中国国内で働くスタッフは良いも悪いも自己主張が強く、ストレートに意見交換をしてくれます。ですので、こちらが逃げなければ、しっかりとコミュニケーションが取れ、私の描く店舗ビジョンを比較的簡単に共有することができます。

——飲食店をプロデュースするにあたって、一番大切にしていることは何ですか?

一番大切にしていることは、会社が掲げている「尽くす」という理念を忘れないようにすることですね。「ゲストに尽くす」のはもちろん「創業者のこだわりや思いに尽くす」、「一緒に働くスタッフに尽くす」、「居心地の良い空間作りに尽くす」など、全てのことに対して真心を持って全力で取り組んでこそ、いいお店ができると考えています。ただ「尽くす」というのは「人からやらされて行う」ものではなく「自分で考え、自分のために自発的に行う」ものと考えています。ですので、店舗をプロデュースする際は「スタッフが働いて楽しくなる雰囲気作り」を重視し、スタッフが自らやりがいを見つけ、「仕事を楽しむことができる」よう、教育を行っています。

——今後の目標は何でしょうか?

現在は「熊の焼鳥」とにんにく焼肉「プルシン」のプロデュースに携わっています。両店舗も今後、多くのゲストに「美味しい」、「来てよかった」と思ってもらえるようにしていくことが目標です。さらに現状に甘んじることなく、色々な新メニュー開発も積極的に行っていき、料理があたえる「驚き」を感じてもらえたら、とてもうれしいですね。熊の焼鳥に関しては、広州でこれまで以上に愛されるようになって、将来的には深セン、成都、重慶、上海などの大都市に店舗を進出できることを目指しています。

「熊の焼鳥」のコース料理。 先付け、サラダ、一品コース、串焼き、ご飯もの、デザートが付いている

ここでしか味わえない絶品卵かけご飯

希少部位が堪能できる「鶏の刺身盛5種盛り」

(DATA)
熊の焼鳥
広州市天河区冼村街道華明路4号星匯雲錦
188-2334-1984

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