連載第63回 (2024.11掲載)
皆さん、こんにちは。この度はピロシキやボルシチをはじめ、有名なメニューも多いロシア料理をご紹介します。現地では寒さをしのぐため、体が温まるスープや煮込み料理がよく食べられています。世界各国のレストランが集まる広州では、おいしいロシア料理がいただけるお店が点在しており、中には市内在住のロシア人が通うお店もあります。
今回は、広州市で絶品のロシア料理が楽しめる老舗「KATUSHA(カチューシャ)」を取材してきました。
<データ>
住所: 天河区天河北路2‐4号氷花酒店1階
電話番号: 020-87299083
営業時間: 12:00‐15:00、17:00‐22:00
アクセス方法:地下鉄3号線「林和西」駅B口から徒歩10分
<紹介>
少しの階段を上がり、店の広間に入りました。
東欧のビストロをイメージした店内は、木材をふんだんに使用し、柔らかい照明が落ち着いた雰囲気を演出しています。
ほとんどは2人~4人席のテーブルで、約15テーブルあります。
円卓もあります。ご家族とのお食事や、接待などビジネスでの利用など、さまざまなシーンで使いやすいお店です。
小さなステージがあり、リラックスできる空間になっています。 ロシアにゆかりのあるシンガーによるパフォーマンスなども不定期的に開催されています。店員さんによると、今年は開店9年目で、多くの常連客が市内在住のロシア人や近所からの地元の方です。
ちなみに、店名の「KATUSHA」は、ロシア語によく見られる若い女性の人名、エカテリーナの愛称形であり、1938年にロシアの人気フォーク歌手リディヤ・ルスラノヴァによって初演された、世界中にも非常に有名なロシア民謡の曲名でもあります。
<メニュー>
・塩漬けサーモンのサラダ
サーモンが厚切りでたっぷり。塩味が効いてあり、美味しい。
・Borsh ボルシチ
トマトの酸味が良いアクセントになっていて、コクがあり非常に美味しいスープ。肉とじゃがいもが溶けて、スープの味がまろやか。あっさりしているので、食がすすむ。ロシア人の若い男性が一押ししていたのも納得できる。
・Piroski ピロシキ
パンがあまりにもパサパサしていた。水分が少なく、これがイマイチ。日本人の味覚に合うかどうかは人によるかもしれない。
・Befstroganov ビーフストロガノフ (Stewed Beef en Casserole)
ビーフの角切りを柔らかく煮込んでいた。あまり特徴なし、美味しいが、ほとんど日本の肉じゃがに近い味。
・Pelmeni ぺリメニ
ロシア家庭料理の定番。少しカルボナーラに似ているソースで味わう洋風餃子。カルボナーラを思わせる風味。厚い皮がしっとり感を生んで美味しい。中国の餃子と全く違い、茹で上げた後にバターをかけたり、サワークリームやマスタードを添えて食べるのが珍しい。
・ガルブツィ(ロシア風ロールキャベツ)
デミグラスソースのような味わい。肉の味が濃くて美味しい。トマト風味ロールキャベツ、ロシアと思わせる濃厚さで美味しい!! ボルシチ同様是非注文すべき。
・Kasha カシャ
ソバやオートミールなどの穀物を煮たロシアの伝統的な料理。若干きのこ風味の味わい。食感がやわらかすぎることと、味が散漫としている感じがしてお薦めしない。単品だとあっさりしすぎる。ボルシチと食べると良いかも。栄養価値が高いけれども、残念ながら、日本人の口に合わない。
・Medovik メドヴィク
蜂蜜を使った層になったケーキで、甘くてクリーミーな味わいが特徴。見た目が美しい。少し甘すぎる。
・Kvass クワス
ライ麦パンを発酵させて作る微発泡性の飲料。アルコール度数1%で女性にも優しい。さわやかな酸味が特徴で、食事の合間に飲むと口の中をリフレッシュできる。夏場には特に人気があり、ロシアの街角で売られていることも多い。
・バルチカビール 7
アルコール度数5.4%のライトラガー。クリアなゴールドの色をしているのでライトな味わいを想像するが、飲んでみると意外に味にパンチがあった。さっぱり軽い口当たりながら、ホップの苦味や麦芽の味わいがしっかり感じられた。
ロシア料理は、その土地の気候や歴史が育んだ豊かな食文化の結晶です。今回取材した料理はほんの一部ですが、これらを通じてロシアの食の多様性と深さを感じていただけたら幸いです。
寒い日には温かいボルシチを、暑い日にはさっぱりとしたサラダを楽しんで、ロシアの味を堪能してみてはいかがでしょうか。