連載第66回 (2025.7掲載)
皆さん、こんにちは。この度は動物性脂肪や動物性タンパク質を使わない、健康食としても近年注目されている精進料理のお店をご紹介します。ヘルシーブームが増えている広州で、今注目を集めている「慶春樸門」を取材してきました。
<データ>

住所: 天河区興民路222号天匯廣場igc 5階L524舗
電話番号: 020‐8966‐7577/135‐2520‐7068
営業時間: 10:00‐21:00
アクセス方法:地下鉄5号線「猟徳」駅B口から徒歩5分
<紹介>
夜6時になっていないなのに、「慶春樸門」には長い列ができています。店員によりますと、去年6月にオープンした広州店は、初日から大人気で、平日でも1時間並ぶのが普通だということです。
面積が1200平米あって、店内は最大300人が収容できます。
賑やかなショッピングモールに開設していますが、店の中に一歩入ると、洗練された外観デザインと優雅さのある内装で、石、木など中国伝統的な素材が随所に使われ、禅を感じさせる雰囲気が漂います。
賑やかなホールもあれば、独立性とプライベート性の高い席、テーブル席とボックス席もあります。
また、ホールには窓辺の席があって、食事をしながら、天匯広場の夕方の美しい景色も楽しめます。
最大9人が座れる個室は7つあり、暖色の光は温かく落ち着いた感じを与えます。
素材を生かすという点では日本の精進料理と通じますが、表現方法は別です。中国ならではの多彩な調理法を駆使しながら、味や香りのリズムをつけていきます。なかにはトリュフやセモリナ粉などを使った一見洋風の料理もありますが、口に入れるとそれらはすべて中華料理の味わいです。
<メニュー>
前菜
・生姜豆腐
甘酸っぱい紅ショウガのスライスが豆腐にマッチ。口の中がサッパリする。豆腐自体にはあまり生姜の味がない。日本人が好む美味しさ。
・パッションフルーツとトマト
意外に合う組み合わせ。パッションフルーツと和えられたことでトロピカルな感じに。前菜には最適。スタートとして彩りを添えている。
・ヤマブシタケの串焼き
香辛料(五味粉)が効いていて食欲をそそる。食べる時はビールが飲みたい(笑)。
・四川風の湯葉
四川風の味付けが湯葉によく合っている。ピリ辛でビールが進む。
副菜
・ライ麦蒸しワンタン
ボリューミー。麦の臭みがちょっと残るが、好きな人は気にならない。
ライ麦が好きな人からのコメント:口に近づけるとライ麦のいい香りが漂う。餡と皮が絶妙にマッチ。
・松茸のタンバオ
量が少ないけど絶品!土瓶蒸しのような上品な味わいがしている。おすすめ!スープがこぼれるので気を付けて。
・三種キノコのオリーブオイル焼き
見たままで安定した味。オリーブオイルでイタリアン風味。
・大豆から作ったナゲット
外はサクッと、中はジューシー。鶏肉と言われれば疑わない!専用ケチャップとの相性抜群。
・キヌア入りのマーポー豆腐
キヌアは初めて食べたが恐らくその香りが食べる瞬間にフワッと香る。適度な辛さが後を引く。上品なマーポー豆腐。
野菜
・ゆで野菜(スナップエンドウの先端の茎)
安定感抜群な一品。かりかりで美味しい。
・ブロッコリー
干鍋(ガングゥォ)という汁気の少ない鍋料理の作り方から焼いたブロッコリー。花椒の風味が効いているが麻(痺れる)の辛さは控えめで食べやすい。いつものブロッコリーとは違う味、印象に残る。
主食
・仏陀ボウル
いかにも精進料理という一品。複数の穀物で深みのある味。豆、芋、トマトとカシューナッツがハーモニー。サラダのような不思議の食感。
・トリュフ入りのチャーハン
トリュフの香りが効いて味に深みを与えている。非常に食欲をそそる一品。とにかく美味しい!
・担々麵
後から辛みが来るが、日本の担々麵とは違って軽く食べられる。
・雲南産の野生キノコから作られたスープ面
味が薄すぎる。普通なので薦めない。
・ごま油で香ばしい重慶風の汁なしラーメン
ピリ辛がほんの少し。ごま油の香りがインパクトあるけど、スープ面が好きな人にとっては不向きかもしれない。
・ポキビーフン
アボカドがそれほど主張しない。あっさりしている味で、冷やして食べるので、広州の真夏の蒸し暑さが解消できる一品。
デザート
・里芋の金木犀シロップ煮
シロップが思ったほど甘くなく、むしろサッパリ感がある。里芋は柔らかく煮込まれていて日本人好み。前菜よりもシメとしてぴったりしているデザート。
・こしあんの蒸米餅
お米の香りがいい。口の中で溶けるようなソフトな食感。熱いうちに食べるのがオススメ。
客層ですが、ベジタリアンというよりも、各年齢層の地元の人たちが多い印象です。一人当たり90元ぐらい、意外とコスパが高い「慶春樸門」、食べに行ってみませんか。