連載第65回 (2025.3掲載)
皆さん、こんにちは。最近、広州には中国東北地方の特徴のある焼肉店が次々に登場しています。この度は広州初となる、長時間に渡り行列が出来るほどの人気を持つチチハル式の焼肉名店――「火旺角」を取材してきました。
<データ>
火旺角・斉斉哈爾烤肉(チチハル焼肉)
住所: 天河区体育東路112号百福広場2階
電話番号:189‐2626‐5999
営業時間:11:30~23:30
アクセス方法:地下鉄1号線「体育中心」駅A口から徒歩1分
<紹介>
「火旺角・斉斉哈爾烤肉」は、その名の通り、中国・黒龍江省西部にある都市・チチハル(斉斉哈爾)式の焼肉店です。2024年1月より百福広場での1号店がオープンしてからたった1年、広州市内で3店舗を続々と展開してきました。平日なのに、お昼時間も勿論、夜18時過ぎくらいに訪れてもすでに長い行列があるほど大人気です。
広間には2人席、4人席、多人数で利用できるラウンドテーブル席まで完備され、最大180人が収容できます。
8~10名様用の個室が3つ設けられます。
前付けのキムチやサンチュなど、各種の調味料と同様に、ビュッフェバーで取り放題です。自分だけのオリジナルタレを作ります。キムチは甘さと辛さが絶秒の組み合わせで、ビールのお供にピッタリです。
着席したら小皿の調味料がセットで出てきました。チチハル式焼肉の特徴の一つがこの調味料セットです。これは「タレ」と呼ばれていますが、実は「粉」を指します。ごま、クミン、ピーナッツ、塩などが混ぜられた、お店のオリジナルで、詳しい配合は秘密です(笑)。これを好みで混ぜ合わせて肉につけて食べます。
<メニュー>
チチハル式焼肉の特徴は、野菜がたっぷりでさっぱりとした味付けで「粉の“タレ”」をつけて食べる、韓国とも日本とも違う焼肉です。チチハル焼肉には独特の焼き方があるので、普段は店員さんにその流儀を教えてもらいながら自分で実践しますが、今回は優しくサービスをいただき、全て焼いてもらいました。
・斉市家庭拌肉(チチハル式焼肉)
サンチュ の一緒に食べるのがお薦め。鉄板からお箸まで韓国焼肉スタイルだけど、お肉の味付けや一緒に炒める野菜が異なるようで、チチハル焼肉は非常に新鮮な感じ。
・牛五花拌酸菜(塩漬けの発酵した白菜と牛バラ)
チチハル焼肉に欠かせないのがこの酸菜。中国東北部で冬に作られる白菜を自然発酵させた漬物で、酸味も塩味も淡く優しい味。
・一米極品雪花(牛リブロース)
牛肉が新鮮で柔らかい。薬味無しでも味がついていて美味しい。
・大腸頭(モツ)
イカリングの形をしたモツ焼きは少し脂っこい。
・菌类拼盘(キノコ盛り合わせ)
4種類のキノコが入っていてとても香ばしい。秋の味覚たっぷり詰め込んだ一品。秋ならこれがお薦め!
・酱汁牛肋条(味付けカルビ)
鉄板を網に交換してから焼いたのがgood!カルビは相応に脂が乗っていて美味しい。
・冷麵
酸味と甘味の味付けは、韓国焼肉の冷やし麺とは違う感じがした。酸味は同じだが、韓国焼肉より甘味が多い。麺が切れていて食べやすい。程よい甘さと辛さがgood!
・東北大拉皮(ダ―ラーピー)
太く平べったい春雨に刻んだキュウリとゴマダレを掛け、混ぜ合わせたもの。ツルツルと箸を滑らせつつ何とか口に運ぶと、ゴマダレの濃厚で甘い香りが口いっぱいに広がり、もっちりとした冷たい春雨がのどを通り抜けていく。
・凍梨(凍らせた梨)
普通の白梨を凍らせると黒く変色し、レンガのように硬くなる。食べる時には水に浸して解凍して柔らかくする。自然な甘みを残しているが、食感は若干スポンジのような感じ。不味くはないけど、少し微妙。
・東北大緑棒子(ハルビンビール)
強めの麦の香りが口の中に広がっていて、美味しい。
<About チチハル>
チチハルは黒龍江省西部に位置する同省第2の都市です。黒龍江省といえば、現在の省都のハルビンが有名ですが、ここはロシアが東清鉄道を敷くために20世紀初頭に建設された新しい都市です。チチハルは内蒙古自治区と接していて、モンゴル族や満州族のほか、ダフール族やエヴェンキ族といったかつて森に住んでいた少数民族も暮らしています。
チチハル市は、世界三大黒土地帯の一つである松嫩(しょうのん)平原の奥地に位置し、トウモロコシの産地、畜産・酪農地帯として世界的に知られています。「チチハル」は、黒竜江省に住む少数民族のダウール族の言葉では「天然の牧場」との意味です。
チチハル市は、北緯47度線が貫き、北海道や米ウィスコンシン州、カナダ・アルバータ州など世界的な酪農地域とほぼ同じ緯度帯にあり、乳幼児用乳製品の原料となる生乳の一大産地でもあります。夏と冬で気温差が70度以上あり、夏の日照時間は最長17時間に及び、冬は土壌凍結期間が6~7ヶ月続きます。休眠期間が長いため作物が育つのに必要な養分が十分に蓄えられ、乳牛の飼料となる良質な牧草がよく育ちます。
チチハル市では焼肉関連の産業も盛んで、人口約400万人のうち約40万人が牧場や加工工場、焼肉店、電子商取引(EC)などの関連産業に従事しています。チチハル市商務局・チチハル焼肉産業協会の認定を取った「火旺角」、食べに行ってみませんか。