
連載第68回 (2025.12掲載)
皆さん、こんにちは。広州の夜食文化についてご存知ですか。
広州には有名な「夜食通り」があり、その代表的なものが海珠区の宝業路です。人々はここで焼肉、海鮮、お粥など様々な夜食を楽しみ、お酒を飲みながら歓談することができます。路地沿いの屋台や露天の飲食店では、自由な空間を提供し、活気が溢れる雰囲気を醸し出しています。
しかし、この宝業路「夜食通り」は、老朽化した建物や消防安全、交通渋滞、環境汚染、騒音による近所への迷惑などの問題が日々顕在化、2023 年2月末に露天飲食店の退去作業が開始され、全面的な改造が行われることになりました。
しかし、海珠区の夜食文化はこれで衰退することはありませんでした。一部の店は東曉南の路地の奥深くに、「勝匯里」という天河区では見ることのできなくなった大排檔(オープンエア)のレストラン街に移転しました。地下鉄2号線・10号線「東曉南」駅の B出口からすぐのところに位置し、交通はとても便利です。ここは元々古い倉庫が集まっていた場所でしたが、2016 年から改造が始まり、2017 年には飲食、ショッピング、レジャーが一体化した商業エリアとして生まれ変わりました。現在、ここには 50 軒以上の飲食店が入居しており、喜茶などのチェーン店や、各地の特色のある料理を提供する個性的な店が揃っています。
今回はこの敷地にあるB級グルメのトト貝専門店「水哥トト貝」を取材してきました。
<データ>

住所: 海珠区瑞宝南路東暁勝滙里F区106-110号
電話番号:172-8860-0175
営業時間: 11:00‐翌日5:00
アクセス方法:地下鉄2号線・10号線「東暁南」駅B出口から徒歩1分
<紹介>
「トト貝」を日本語のカタカナ読みで読む人が多いですが、正しいのは「ボーボーベイ」です。広東省の順徳市で発祥の海鮮の火鍋料理で、白貝(シロガイ・サラガイ)が加熱されて殻が開く時に「ボーボー」という音がすることから名付けられました。
主な食材は貝で、ニンニクの擂り潰しや唐辛子などの調味料を添え、ピリ辛い旨味を核心とした風味が特徴です。トト貝は新鮮な海の幸の旨味がそのまま凝縮された料理として、今は広東地方の飲食店で人気のメニューの一つになっています。
地下鉄2号線・10号線「東曉南」駅のB出口を出て右手、目の前にあるので迷うことなく店に着きました。この季節(12月)では、屋内より屋外のテラス席に座るほうが快適です。
注文は紙版のメニューでチェックする方式で店員さんに渡します。この店では、2種類の貝しかないです。サイズが大きいハマグリを「大貝」と呼び、サイズの小さいサラガイ(シロガイ)を「小貝」と呼びます。鍋の出汁(鍋底)は原味とその他、ピリ辛(微辣)と激辛(牛油特辣)三つの選択肢があります。他の店ではトムヤムクンやカレーのスープベースがありますが、残念ながらこの店のメニューにはありません。
今回は5人で「大貝」鍋を2つ、「小貝」鍋を1つ注文しました。その他には牛肉団子、イカ・エビ団子(つみれ)、牛肉の薄切り、ラム肉の薄切り、あげ湯葉、野菜など火鍋の定番も注文しました。
鍋が来るまでに屋内にあるタレステーション(自助调料台)でお好みの付けタレを作りましょう。薬味やスパイス、オイスターソース、ピーナツオイルや酢などが用意され、ネギやパクチーなどと調合して作れるのも鍋料理の醍醐味!
そして鍋がやって来ました~かなり大きな平鍋ですね。隙間も無いくらいにビッシリと鍋に敷き詰められた貝にビックリ!
貝が煮えてきました。次々と開いていくのでひたすら食べます。
大も小も貝独特の苦味がありますが、これが大人の味というもので、どちらかというと大の方が苦味が強かったように感じました。出汁自体もあっさりした味付けであるため、ビール片手に幾らでも食べられます。身はプリプリしており、貝特有の弾力、噛むと旨味がジュワっと口一杯に広がっています。
食べた後の貝殻は足元のごみ箱にポイ、なので食卓の上はけっこうすっきりしました。
ある程度貝を食べたら貝のお出汁が出た鍋に野菜、肉団子、あげ湯葉などを投入しました。タレはなくても美味しい!!
日本人には原味の出汁がおすすめですが、辛みが効いたピリ辛(微辣)の方も味変としては良いと思います。辛いものが好きな方にはお勧めです。
店員さんを呼べば、つみれを作ってくれます。サービスは良かったですね!
そして最後は、これもお好みでご飯やラーメン、パスタなどを入れてシメにしましょう!今回は持参したパスタを入れてボンゴレ風にしました。
これがまた貝の出汁が効いて薄味だが絶妙に旨い!自分で作ったタレには付けず、是非そのまま食べてみてください。
トイレは屋内で、店専用のため割ときれいです。ただ2階にあるので飲みすぎの場合は階段にご注意ください。
今回は生ビール(朝日)3Lのタワーも注文したため、合わせてひとり当たり100元位でした。日本人に人気というのも頷けるコスパ高い地元料理を食べに行ってみませんか。


















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