接待用のおすすめメニュー及び料理名の解説
「広東料理名店六選」では、接待にふさわしいお店をご紹介しました。しかし、どんな料理が日本人の口に合うのか、漢字だらけのメニューが読めないといった悩みもあるでしょう。そこで本編で日本人の口に合う料理と料理名の構成を紹介します。
これはある会員さんからいただいた興悦酒家のコースメニューです。話によりますと、何を頼めばいいか分からない時、これでいけばOKの安心メニューだそうです。では、どんな料理があるのか見てみましょう~
- 拍青瓜(きゅうりの叩き)
醤油、酢をベースに砂糖、唐辛子などを加えて作った甘辛いタレが割れたきゅうりに染み込み、食欲をそそる一品。
- 天冬马蹄炖飞天鸟(薬膳スープ。天門冬、クワイ、ハト入り)
広東地区は高温多湿の気候なので、漢方薬入りのスープは暑気払いなどの効果があるので広東人に愛飲されている。ほとんどは甘味があってやさしい味なので飲みやすい。
- 玉叶鸭松(鴨のひき肉炒めレタス添え)
炒めたひき肉をレタスで巻いて食べる料理。フレッシュな野菜とお肉の組み合わせが絶妙。
- 金陵片皮鸭(南京ダック。金陵は南京の旧称です)
鴨の皮がパリパリに焼かれていて香ばしく、甜麵醬をつけてキュウリ、ネギなどと一緒に薄餅で包んで食べる。(北京ダックとほぼ同じです)
- 古法蒸龙趸球(ハタの古法蒸し)
大ぶりの蒸し魚。広東語で「球」は「大きい」という意味です。
- 湖北黄金虾(エビフライ)
サクサクのエビフライ。金色の衣なので「黄金虾」と呼ばれる。
- 冰烧三层肉(豚バラ肉のロースト)
広東料理の名物「焼肉」。パリパリの皮、赤身と脂身の程よいバランスが絶妙。
- 家乡蒸藕饼(ひき肉のレンコンはさみ焼き)
レンコンでひき肉を挟んで揚げたなじみの一品。
- 露笋木耳百合炒银杏杂菌(野菜炒め)(アスパラ、きくらげ、ゆり根、ぎんなん、きのこ)
アスパラ、きくらげ、きのこなどが入っている野菜炒め。さっぱりした味。
- 蒜蓉炒高山麦菜(油麦菜のニンニク炒め)
ニンニクの効いた野菜炒め。
- 西施泡饭(イセエビスープ茶漬け)
伊勢エビの甘味が効いたスープに揚げたごはんを入れた茶漬け。日本人の大好物!
- 香芒布甸(マンゴープリン)
甘酸っぱいマンゴープリン。広東風デザートの「糖水」が口に合わないというご心配があれば、洋風のプリンをオーダーしよう。
広州初心者の方は、まずこのメニューに似ているものを頼んでみましょう~
さて、次は料理名を解説します!「漢字だらけのメニュー、難しい~」と思いますか?では、一つのコツを教えましょう。それは調理方法を探すこと。なぜかと言うと、料理名はほとんどが「調理方法+食材」で構成されているからです。例えば、「烤鸭」、「炒时蔬」など。その上、「地方名+調理方法+食材」(北京烤鸭)、「食材+調理方法+食材」(芝士焗龙虾)というようなバリエーションがいろいろあります。食材のみの料理名もありますが、基本的に調理方法は反映されています。ですから肝心の「調理方法」が分かったら、料理の大体のイメージを掴むことができます。そして、調理方法では、「灬」や「火」偏の漢字が多いので、意外と分かりやすいです!では、実例を挙げながら広東料理でよく使われる調理方法を説明します。
豉汁蒸(zhēng)排骨(豆鼓のスペアリブ蒸し)
蒸:蒸す。蒸し物なので味はほぼさっぱりしています。魚料理や飲茶の点心ではよく見られます。
豆酱煮(zhǔ)黄花鱼(キグチの豆板醤煮)
煮:煮る、茹でる。「水煮牛肉」もよく見られると思いますが、あっさり系の料理だと思ったら大違いです!「水煮○○」は唐辛子がいっぱい入っている火鍋のようなもので、めちゃくちゃ辛いから気をつけてくださいね~
香煎(jiān)萝卜糕(焼き大根餅)
煎:焼く。フライパンや鉄板で焼いた料理は「煎○○」と言います。
鱼香茄子煲(bāo)(土鍋茄子)
煲:「煮込む」という意味でありながら、食器の「土鍋」という意味もあります。「○○煲」は土鍋で食材を柔らかく煮こんだ料理が多いです。
清炒(chǎo)时蔬(野菜炒め)
炒:炒める。「清炒」は食材が一つのみの炒めです(野菜の場合が多い)。唐辛子のような味の濃い香辛料、調味料は入れないので味がさっぱりしています。
鲜虾炸(zhà)春卷(揚げ春巻き)
炸:揚げる。揚げ物の衣は金色なので、前文で紹介した「黄金虾」のように、「炸」を言わず、色で表現する場合もよくあります。
深井烧(shāo)鹅(焼きガチョウ)、北京烤(kǎo)鸭(北京ダック)
烧、烤:「煎」と同じ「焼く」という意味ですが、オーブンで焼いた肉料理の場合は「烧」と「烤」をよく使います。「ロースト」や「グリル」と理解してよいでしょう。しかし、「红烧肉」の「红烧」は「グリル」ではなく、「焼き色がつく」という意味を指しています。ですから「焼肉」と「红烧肉」は全然違うものなので勘違いしないでくださいね!
支竹焖(mēn)牛腩(湯葉と牛肉の煮込み)
焖:炒めた、揚げたものを適量の水を足し、蓋をかけて煮ること。「焖」は汁が少なくなるまで煮るので煮汁の少ない料理がほとんどです。
盐焗(jú)鸡(塩鶏の丸焼き)
焗:「盐焗」は食材を紙で包んだ上熱い塩をかけて加熱すること。「盐焗鸡」は有名な客家料理です。また、「焗饭」(ドリア)とか、オーブンで焼いた洋風の料理にもよく現れます。
山药炖(dùn)排骨(山芋の豚骨スープ)
炖:お水をたくさん入れて強火で沸かして、そして弱火で長時間を煮込むこと。スープやスープ付きの料理でよく見られます。「煲」と言い換える時も多いです。
白灼(zhuó)虾(ゆでエビ)
灼:「白灼」はお湯(場合によってみりん、生姜などの調味料を入れる)で短く茹でること。食材本来のうまみと鮮度を保つ調理法なので、魚介類や野菜を調理する時よく使われます。味がさっぱりしていて、タレをつけて食べることが多い。
いかがでしょうか?難しそうに見える名前が少しわかるようになりましたか。
時々「黄金万両」、「年年有余」といった縁起のいい名前も出てくるのですが、中国人だとしても必ずわかるとは限らないので、その辺についてはあまり気にしなくてもいいですよ(笑)~
今度レストランに行く時はチェックしてみてください!