広東人の夏にはなくてはならない糖水
最近、亀ゼリーとかデザートをお昼にしている同僚がいます。なぜちゃんとご飯を食べないの?と聞いたら、食欲がないからご飯が食べられませんとの答え。ん…デザートしか食べないのは体に良くないですが、その気持ちはよくわかります。ここ最近あまりにも暑くて、食欲がないどころか、体もだるくて何もかもやる気が出ない気がします。そういう時はすっと飲み込める糖水を食べたくなります。ひんやりとした糖水を食べると体の暑さが払われ、程よい甘さも心の癒しになります。「広東人の夏は糖水がなくてはならない」という言葉もあります。
糖水と言えば、種類は豆系(緑豆や小豆など、豆をとろとろに煮込んだ甘いスープ)、芋系(里芋、さつま芋などを柔らかく煮たもの)、団子系(もちもちの団子入りのもの)など数え切れないほど多いです。よく見かける「緑豆沙」だけで、「陳皮緑豆沙」、「海帯緑豆沙」、「緑豆沙湯圓」などいろんなバリエーションがあります。とはいえ、緑豆沙をベースに他の食材も入れただけです(笑)。同じ暑気払い効果のある食材と組み合わせるのが普通です。が、我が家では何種類の豆を一緒に煮込むものを好んでいたようで、子供の頃、「緑豆沙を食べたい~」と母に甘えると、必ず小豆、白いんげん豆などいろいろ入っているものが出てきました。味はもちろん怪しかったです…しかし、体にいいからといやいや食べさせられました。そのせいか、緑豆、砂糖、水この三要素しかない最もシンプルな「緑豆沙」は夏の糖水の王道だと思っています。
中国では、「三伏天」(一年の中に一番暑い時期。通常は二十四節気の小暑から処暑の間)という説があり、今はまさにこの時期です。蒸し暑くてつらいですね。体調を崩さないように水分をよりこまめに摂取しましょう。広東風の糖水もぜひ食べてみてください。