連載第17回 (2011.2掲載)
ベトナム料理「芽荘(ニャチャン)」
ADD:広州市建設六馬路3-7号
広州一建大厦2階
TEL:020-8388-1223
今回は広州では珍しいベトナム・キュイジーヌの店『芽荘(ニャチャン)』に行ってきました。
あの有名なミシュランガイドの香港マカオ版で星を獲得した香港店の広州支店ということで期待が高まります。(店頭で本も販売中)
更に店名となっているニャチャンは私も大好きなベトナム南部のリゾート地の地名なので、その名前からも美味しい料理が期待でき、ワクワクしながら料理を待ちます。
店内は明るいカジュアルな内装でカリフォルニアのレストランといった雰囲気、オーナーがアメリカ籍のベトナム華僑ということで納得。センスの良さを感じさせます。
さて、本題の料理の方ですが、今回はコース料理のような形で、前菜3品、メイン2品、 主食1品にデザートを試してみました。
前菜の3品は本場ベトナムの素材や野菜をふんだんに使ったヘルシーで個性的な料理。
1品目のレンコンサラダは、広州で初めて見たストローのようなスリムなレンコン、やはりベトナムから輸入しているということで、新鮮な驚きとともにいただく。甘酸っぱくてサッパリ味が美味。
2品目はベトナム料理の定番ライスペーパーに巻かれた生春巻だが、中身はこれまた珍しいソフトシェルクラブが入っていて感激、広州でこんな新しい形でソフトシェルクラブが食べられるとはおみそれしました。
3品目はベトナム料理屋に行ったら必ず頼みたい人気前菜を1品ずついいとこ取りした盛り合わせ、中でもペッパーリーフで包んだ牛肉は、めったに食べられない逸品かと。(リーフが珍しい)
ここまでで既にベトナム満喫ですが、その後続くメインの2品は、牛肉料理と豚肉料理で、ボリューム満点。肉と野菜がたっぷりとコラボしてます。
主食のフォーは、ベトナムでは屋台料理にもなっている庶民の主食ですが、この店ではさすがにフォーもキュイジーヌとなっていて、スープ・麺・具の牛肉も洗練されていて上品で美味。
この日お店に来ていた他のお客さんのテーブルを見渡すと、どのテーブルにもフォーらしき器が並んでいたのもうなずけます。
最後にデザートのコーヒークリームブリュレで締める。
メニュー
正直な話、今回試したボリュームでは「食べすぎ」感がありましたが、ベトナムキュイジーヌを十二分に満喫する事はできます。また、フォー1杯だけでも軽いお食事なら量的には充分。前菜は1品30元台~40元前後、フォーも35元くらい、 メインも含め全ての価格が1品100元以下のようですので、お腹と懐具合でメニューを決めれば楽しめるでしょう。
当日は西洋人や中国人のカップルも結構きていましたし、グループでも食事していました。お店の雰囲気が気軽なかんじなので、1人でフォーだけ食べに行く のも有りだと思います。単品からコースまで、デートから友人や家族での食事まで、多目的で使えそうなレストランです。
「安南藕苗虾沙律」 Lotus Stem Prawn Salad ベトナムからの取り寄せレンコンが驚き。 アッサリ味。 ドレッシングがちょっと甘酸っぱい。 |
「软壳蟹米纸卷拼生腌虾米纸卷」 Soft Shell Crab Salad Rolls & Prawn Salad Rolls Combo ソフトシェルクラブがカリッと美味しい。もう1個はエビ。 素麺みたいな麺と一緒に食べる。あっさりヘルシー。 |
「越式春卷、蔗虾、槟榔叶卷肥牛」 Vietnamese Spring Rolls, Shrimp Mouse on Sugar Cane & Beef Warped in Pepper Leaf Serve with Fresh Greens and Herbs 揚げ春巻き、エビすり身揚げ(サトウキビ串)、牛肉のペッパーリーフ包み。 そのままでも付け合せの野菜で巻いてもOK。ベトナムの味満喫。 |
「烤牛肉饼捞檬」 Cold Vermicelli with Grilled Beef Petties 牛肉のローストと素麺に少しすっぱいソースをかけて食べる。 あっさりした味付け、肉が温かく柔らかい。 素麺は冷たい。 ガーリックチップも効いている。 |
「烧乳猪配虾头膏炒高丽菜」 Roasted Suckling Pig serve on bed of Stir-fried cabbage in Shrimp Sambal 豚の骨付きロースト。少し中華風。ソースはベトナム風でサッパリ。 付け合せの野菜炒めは味が濃いめ。 |
「河内生牛肉河粉」 Pho with Thin Slices of Beef(Medium Rare) ビーフの薄切り肉入りのスープ麺フォー。スープも麺も具も美味。 調味料として、チリソース、甘ダレ味噌ソース、ライムと唐辛子。 この唐辛子がかなり辛さが強い。 |
「越式炒饭」 Vietnamese Fried Rice 見た目は広東チャーハン風。味も。 |
「咖啡焦糖布甸」 Coffee Cream Brulee 甘いコーヒーの香り。味はまろやか。 |
「橙甜酒咖啡」 Grand Marnier Coffee リキュール入りホットコーヒー、リキュールはオレンジ系か。 |
シェフのインタビュー
今回インタビューに答えて頂いたのは料理長の許秉礼さん。広州出身。
このお店の事とオーナーについて教えてください。 | |
オーナーはアメリカ籍のベトナム華僑。出身地がベトナムのニャチャンです。香港に3店舗あります。オーナーが大陸初の店を広州に開いたのは、英語、ベトナム語、広東語に精通しているからです。今後は上海にもお店を出す計画です。 | |
許さんは、どこでベトナム料理を習得したのですか? | |
香港の店舗で1ヶ月修行してきました。 香港のレストランはコックが全員ベトナム人女性なんです。広州の店にはコックが15人います。現地の人ですが。 |
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お店の料理について何か特徴を教えてください。 | |
ベトナム料理には北ベトナム料理と南ベトナム料理がありますが、この店ではどちらの料理も出しています。また基本は伝統的ベトナム料理ですが、一部味を新しいものに変えています。また、食材はベトナムから持ってきているものも多く、本格的なベトナム料理が味わえます。 | |
お店はいつオープン?客層は?また人気のメニューは何ですか? | |
昨年の12月2日にオープンしたばかりで、広告はあまり出していませんが、クチコミと取材で開店2ヶ月なのにすでに多くのお客さんが来ています。 お客さんは外国人(主に西洋人)が半分、中国人が半分といったところでしょうか。人気の料理はレンコンサラダ、春巻き、フォーです。お店に来た方は大体必ずベトナム春巻きとフォーは頼みます。外国の人は肉と野菜を合わせて食べるのが好きなようですね。 |
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お店の開店時間は何時から何時ですか? | |
11:30~22:30です。 |
料理長の許さんは、とても丁寧に対応してくれました。好感のもてるお店とスタッフの方々でした。香港に行かずとも気軽に本場のベトナム・キュイジーヌを楽しめるお店だと思います。