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交易会の思い

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毎年春と秋に広州で開催されている中国輸出商品交易会が、この秋で第100回目を迎えた。
中国全土の1万社を超える輸出用商品メーカーと海外200数カ国からのバイヤーが一同に集まり、買取と商談が行われる中国最大の総合輸出商品商談会。中国という名前がついているものの、毎年広州で開催するので、通称「広州交易会」として親しまれている。

一般市民にとっては、交易会といえば、「道が混む」「ホテルが高い」「閉会前に展示品を安く買える」というくらいのイメージしか持っていない。広州で外 国語を勉強する学生ならば、実習やアルバイトの経験をした思い出といったくらいなものだろう。しかし、実はこの交易会は、対外貿易最大の窓として、中国が 貿易大国になった現在でも、全国輸出総額の10%を占める商談が成立しており、「中国ナンバーワン展示会」と評されている。

交易会は1957年春から発足し、60年代、70年代の自然災害、そして文化大革命期間中でも一度も中断することなく開催されてきた。その間には、さま ざまの歴史が刻まれている。1972年春季交易会には、アメリカから初めてバイヤー42人が参加。1980年春季交易会をきっかけに大陸対台湾の輸出貿易 が開始。1983年春季交易会に外資系企業が初めて出展。1999年民営企業が正式的に出展(今は民営企業の出展数がすでに国営と外資系のそれを上ってい るが)などなど…。まさに中国の対外貿易歴史そのものだといえる。

私も仕事の関係で以前、数回か交易会会場に入ったことがあるが、とにかく会場の大きさと人の多さに圧倒され、見る前から疲れ果てて しまった。当時、輸出専用であるそれら商品のなかには、普段中国国内のマーケットでは見かけないものも多かった気がする。だが、その頃交易会で見て「ほし いなぁ」と思ったものが、今ではもう地元のお店でも普通に並んでいる。これも時代の流れだろう。

情報が限ぎられていた改革開放前には、この交易会が中国で唯一世界に開かれた場だった。しかし、今では誰でもがその気になれば、中国全土の情報をイン ターネットを通じて入手できるようになった。そして、全国各地の省や市が、見本市を頻繁に催していることから、ここ数年には、広州交易会の意義が問われ、 議論も盛んだ。政府も来年の101回春季交易会から、「中国輸出商品交易会」の名前を「中国輸出入商品交易会」に変えると発表した。同時にドイツのケルン及びフランクフルトの展示会社とも契約し、世界最新のノウハウを組み入れようとしている。これも、一つの改革といえるだろうか。

さて、ミニ知識。閉会の前日に会場(周辺)に行ったら、運送費を節約するために展示したサンプル品を売っている出展者がいる。運がよければ、掘り出し物が安く手に入るかもしれない。ご興味がある方、騙されたと思って一度お試しあれ。

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