広州白雲空港に着いた瞬間、「帰ってきた!」と思う人は少なくないだろう。勿論私もその一人だ。広州駐在の日本人のなかにも、このように感じる人もいると思う。
どこに行ってきても、やはり広州が一番いい。
日本の諺「住めば都」のように、広州は住んでみると好きになる町の一つだと思う。これは単に自分が広東人だからというだけでもないと考える。
いろんな人からの広州に対する評価を聞くことがある。
「気候温暖で冬が過ごしやすい」「夏は蒸し暑くて死にそう」「空気が悪い」「レストランが多くて食べ物がおいしい」「花(切花)が多くて値段が安い」 「広州女性は飾り気がない」「宴会で無理に「乾杯」を勧められない」「春節の『紅包』の習慣が困る」「多くの広州人(特に男性)は独立してボスになりたが る」・・・。
広州の良さはほかの場所に行って比べないとなかなか感じないものだ。
例えば、人。ここでいう広州人はほかの省の人間で広州に移住した人ではなく、本当の地元の人を指す。
中国のほかの町に住んだことがあり、またそこの人々と付き合ったことがある人なら、広州人の人間性がよくお分かりだろう。百人十色だが、一般的に広州人 は「おおらか」「暖かい」「やさしい」「表裏がない」「寛容」「腰が低い」などとよくいわれる。広州人は基本的に政治にはあまり関心が高くない、おしゃべ りするより黙々と働く。昔から商売の町なので人と付き合う時、礼儀と信用を重視する。商売上、広州人は自分が儲けさえあれば、相手がどんなに儲かってもそ れは相手の「腕」だという考えを持っている人が多い(○○の人なら、相手の儲けも自分で取りたがるといわれる)。そして、よそから来た人に対して優しい気 持ちを持っている。
広州は暮らしやすい町だと思う。月給1万元の人でも1000元の人でも、ここでは自分のライフスタイルに合わせて楽しく暮らしていける。
古くからいわれてきた「衣食住行」の視点から見てみよう。「衣」:服のみならずどんな物でも買える。洋服のオーダーメードなら海印の布市場に行けば楽し める。「食」:食べ物の豊富さとおいしさはすでにいうまでもないほど。「住」:広州っ子ならほとんどマイホームを持っている。不動産の価格は高くなりつつ あるものの北京・上海に比べるとまだ安く、賃貸でも300元から数万元まで、さまざまな部屋がある。「行(動)」:交通が便利。香港・マカオ両地区や東南 アジア各国へ行きやすいのも魅力的だ。
辛い料理や麺類を毎日食べると飽きる、お客さんの格好を見て接客態度が違うのは面白くない、おしゃべりばかりの○○人と付き合うと疲れる、お酒を飲めないので「乾杯」は苦しい…第一、人情味はお金で買えないものだ。
なので、夏が長くて暑く、青空が見られる日が少なく、国内で「説不清的城市」(語りにくい町)といわれるが・・・、それでもやっぱり私は広州が好きだ。
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