2007年は、果たして60年に1度の「金の猪」年なのか、「土の猪」なのか。専門家たちがマスコミで議論を交わしている。
天文学者による と、古代天文学「六十甲子別五行図」では、暦法干支紀年(十二支)と五行(金木水火土)学説の組み合わせで見ると、2007年は「丁亥年」であり「土の 猪」であると強調している。「金の猪」年なら「辛亥年」であるべきなのだ。しかし、一部の歴史学者は唐太宗「貞観の治」始まりである貞観元年は「丁亥年」 で、「富と長治久安の始まり」の意味から、その年を「金の猪」年と決め、その考え方が今に続いている。だから、「丁亥年」である今年は「金の猪」と言って も間違いではないと論じる。
中国だけではなく、韓国でも2007年は「健康と富に恵まれる金の猪年」と言われ、ベビーブームが到来のようだ。
「金」にしろ「土」にしろ、今年の春節(2月18日)以降(ある説では2月4日立春以降)に生まれる子供は、中国では「猪宝宝」(猪年の赤ちゃん)といわれ、「有福気」(福がある)というのが定説だ。
それに、2006年は戌年で「双春兼閏月」(立春が2つあり且つ閏月)だった年なので、結婚に絶好の年で、中国全土(勿論広州も)結婚した人がとても多 かった。広州民政局の統計では、去年結婚したカップルは史上最多の8万3816組(平均230組/日・07年2月9日広州日報より)。
昨年の結婚ラッシュ、そして2007年の「猪宝宝」という縁起かつぎから、「妊婦さんが一晩ごとに、どっと増える」というほど、広州にベビーブームが やってきた。地元マスコミでは、00年のセンチュリー・ベビーよりも人数が多いかもしれないと報道され、盛り上がっている。
ベビーブームの到来とともに、これからは「妊婦・ベビー」エコノミーがすごい勢いで伸びていくだろう。
広州各病院の産婦人科はどこでも賑やか。大きな病院ほど妊婦と付添いの人で一杯。有名な産婦人科医の予約は2週間前でもなかなか取れない状況。入院部のベッド数が全然足りなく、廊下でもエキストラベッドで埋めつくされている。
マタニティやベビー用品・食品市場も景気がいい。あるネットニュースには、今年中国のマタニティとベビー用品売上は7500億元、授乳用品だけでも350億元になるとの予測が載っていた。本当かなぁと思うほど高い数字だ。
出産後産婦と赤ちゃんの世話をするアイさん(月嫂という)の数も全然足りず、値段も上がりつつあり、今は月3000元になった。それでもすでに6月まで予約がいっぱいの状態だという。
この現象は「ただの迷信だ」という人もいるが、祈福(縁起を大事にする)文化が盛んな国、町なので、一般大衆の間はやはり興味津々なのだ。
こうした現象のあとには、数年後の幼稚園、学校の進学問題、将来の就職・結婚問題も懸念されるが、とりあえず、今年の猪宝宝、みんな健康で元気な赤ちゃんになることをお祈りしましょう。
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