五月は、連休のすぐ後に、第2日曜日、母の日がやってくる。例によって「母の日消費ブーム」がまた到来し、レストラン、デパート、アクセサリーの店、花屋さん・・・みんな商売繁盛。
母の日というイベントは中国にとっては舶来品。記憶では90年代に入ったからのことかなぁ、香港や海外の情報と習慣がだんだん伝わってきて、いつの間にかみんなこの「母親節」を知り、多くの人(特に都市では)はその日に母親への感謝を表すようになってきた。
元々中国人は自分の感情を表すことが苦手(恥ずかしがり)なので、この日は母親の存在の有り難さを考えさせてくれて、何かの形でこの感謝の気持ちをお母さんに伝えられるから、大変いいことだと思う。
勿論このような西洋のイベントを、他にクリスマス、バレンタインデーも例として挙げられるが、中国の社会に伝わってきて、且つ現地に溶け込んできたの は、賢い商売人(自分の商品を買って欲しい人たち)とマスコミの宣伝の成功だと言えるだろう。地球が一家になり、人々の生活を彩ることもいいことだが。
しかし、最近都市部の若者層では、中国伝統のイベントより舶来のものの方が良く知り、そっちばかりワイワイ祝い、伝統のものが逆に薄くなる傾向があるから、専門家たちは新聞やテレビ、インターネットで社会問題として取り上げ、議論を盛んに行っている。
それはそれとして、母の日。この日は子供たちがお母さんに何をプレゼントするだろうか。おそらくどの国でも似ていると思うが、報道によると、広州でもお母さんに定番のカーネーションを贈る、何かプレゼントを贈る、外食をする、家事を分担するとのこと。
そういうことはしないより、した方がいいに決まっているが、個人的には、「母の日」その日のみならず、普段の親孝行、日頃のお母さん(勿論お父さんも同 じ)への気配りがもっと大事ではないかと思う。特に親が既に年を取っている人なら、あとで後悔しないように今から心を込めて行動することが大切だ。
親は自分にとってどんな存在なのか。彼らは完璧な人間ではないだろうが、命をくれて、大きく育ってくれた人。例え自分が年を取っても、彼らは一生自分を 子供扱いしてくれて愛を惜しまぬ人。この世の中に、我々にこういう愛を持ってくれる人は、親だけなのだ。自分は彼らのために、何をしたのか。これから何を しなければならないのか。
人間のこういう共通の思いと愛があるから、舶来の「母の日」でも根強く世界中に花を咲かせていると思う。
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